皇女殿下の競走馬
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競馬×ファンタジー! ストーリーは王道ですが、ありそうでない競馬を題材にしています。 作者の趣味爆発、まさかの本文1Pめくると出馬表と予想コラム。1章丸々実況中継など。 <あらすじ> ロイヤルブルーステークス。 皇室主催のこのレース、皇室所属馬を負かして優勝した暁には 「望みのもの」が手に入るという、曰くつきの一戦。 皇女メリーが実業家の息子ウィリアムに結婚を賭けて勝負を挑まれた。 勝つことでしか運命を切り開けない! メリーは天才馬「金獅子」を指名し、ロイヤルガードのリュミエールに鞭を託す。 前哨戦青空賞とロイヤルブルーステークスまで実況付きでお届けします。(出馬表と予想コラム付) <本の仕様> A5 2段組み 68ページ 400円 <作者> 文/みすてー 絵/あほいすぃ(https://www.pixiv.net/member.php?id=93006) <関連作品> ・氷の花の香りは ・TRANSPORTER <スペシャルサンクス> 陽喜 様 @K_haruki_lotus 並木陽 様 @namicky24 詩柳耶琴 様 @ykt_kty Fane 様 @une_oie <発行日> 2017.11.23 第25回文学フリマ東京
1コーナー「Trial!」より 青空賞 実況
あなたに「いま」をお届けする―― 帝国ラジオ放送をお聞きのみなさん、こんにちは。 この時間は帝国競馬場から、ロイヤルブルーステークスの前哨戦である青空賞の模様を実況中継でお伝えします。 本日の天気は快晴、まさに競馬日和と言っていいでしょう。 昨日までの長雨が嘘のようです。まさに今日の開催を見計らったのでしょうか。ただ、その雨が馬場に残っております。芝生のコース上にも水たまりがやや見受けられます。競争に影響はあるんでしょうか。 朝一番の馬場管理課の発表によりますと、馬場状態はおおむね良好、雨の影響は少々残るとして稍重馬場と発表されています。 観客席二階の実況席からは緑の芝生が日差しに映え、悪いようには見えません。実際に芝生を踏んでみると違うのかもしれません。この微妙な馬場状態に対して、各陣営がどのような作戦を立ててくるのか楽しみですね。 さて、まずは今開催のスケジュールをお伝えしておきます。 今開催の目玉はなんといっても、一ヶ月後に迫った三年に一度の大レース、皇室御賞典ロイヤルブルーステークスです。そのロイヤルブルーステークスに向けて、本日は前哨戦である青空賞がおこなわれます。 すでに終了したもうひとつの前哨戦、青海賞の上位入線馬と本日の青空賞の上位入線馬のみがロイヤルブルーステークス本戦に駒を進めることができる、いわば予選としても機能しています。 今回のロイヤルブルーステークスは例年よりも盛り上がりを見せています。そもそもロイヤルブルーステークスは下々のものが皇室の所属の馬たちに挑戦する、そんな意味合いをもっていました。発祥当初はロイヤルチャレンジカップという名称だったことから、当時の様子もうかがえます。優勝したオーナーには優れた馬産者として優勝賞金とは別にどんなものでも皇室から褒美がもらえるという、大変ありがたい貴重な機会であります。時が経つにつれ、ロイヤルブルーステークスと名称が変わりましたが、伝統は変わらず。かつて田舎の牧場主だった者が当レースで優勝し、領地を与えられ、貴族の一員として迎えられたというエピソードもあります。しかし、一方で、現皇太子殿下の管轄の元で行われたレースでは、皇室、つまり皇太子殿下の所属馬がすべて優勝し、望みの報酬を叶えた者は一人もいないという状況が続いています。 今年はどのような結果になるのでしょうか。 サドラー卿の嫡男ウィリアム氏がスカイブループリンセス・マリアヴェール殿下との結婚を狙うという報道もあります。 ウィリアム氏は自ら騎手としても登録しています。先日行われました青海賞では騎手ウィリアムのまたがる銀狼号が圧勝いたしました。ウィリアム氏の持ち馬の中でも一番のパフォーマンスをみせる馬とはいえ、いまだ負けなし、王者の貫禄ともいえる余裕の走りをみせました。二番手に八馬身差の圧勝劇。最後は後ろを振り向く余裕もありました。 ロイヤルブルーステークス本戦には一人のオーナーから二頭まで出走できるため、本日もウィリアム氏が自らまたがり、銀狼とはまた違った新進気鋭といってもいい、これまた前評判の高い馬に乗って登場いたします。 その、ウィリアム氏に対抗するのが、スカイブループリンセスことマリアヴェール皇女殿下。 皇女殿下は今回、全戦全勝の皇太子殿下の名代として、ロイヤルブルーステークスに挑まれます。今までこのレースですべて勝ってきたヴァンガード皇太子殿下の名代ですから負けることが許されません。縁談話のウィリアム氏をはじめ、勝つことを目標にしている競馬関係者は数多くいます。皇女殿下としては非常に厳しい戦いになることが予想されます。 そんな激しい争いのなか、皇女殿下はロイヤルガード、いわゆる側近の騎士であるリュミエール氏を騎手として指名しました。これには競馬関係者すべてが驚きました。もっとも、ウィリアム氏が騎手として参加するわけですから、決闘を挑まれ、正面からその挑戦を受けたという見方もできるようです。 縁談話は果たしてどのような結末に向かうのか、それは私には想像がつきません。ですが、レースの模様をみなさんにお届けすることで歴史を見届けることができます。 どのようなレースになるのか楽しみですね。 <続きは本誌にて>